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遺言での「相続」と「遺贈」の違い

遺言によって、相続人に対して特定の財産を与える場合に、「長男に○○を相続させる」という書き方と、「長男に○○を遺贈する」という2つの書き方があります。

この2つの書き方では、どのような差があるのでしょうか?


遺贈すると書いた場合

ある特定の相続人に対して特定の財産を与える場合、「遺贈する」と書いてあれば、民法に定められている遺贈であることが明らかです。
遺贈であれば、その特定の財産の所有権は、相続人の遺産分割をしなくても、遺言者の死亡により直ちに受遺者(遺贈を受ける人)に移転することになります。


相続させると書いた場合

ある特定の相続人に対して特定の財産を与える場合、遺言書に「相続させる」と書かれていたとき、これを「遺贈」と同じような意味としてとらえるのか、「遺産分割の方法を指定した」ものと解するのか、解釈が分かれていました。

遺贈の趣旨であれば、相続人の遺産分割を経なくても、遺言者の死亡によって直ちに指定された相続人に移転するという考え方です。

一方、遺産分割方法を指定したものと解するならば、遺言者の死亡により遺産共有の状態となり、遺言を基準とする遺産分割によって、初めてその指定された相続人の単独所有となるという考え方がありました。


ただし、このような考え方に差があったものの、登記実務上は「遺贈する」でも「相続させる」と記載してあった場合でも、遺産分割協議なしで所有権移転登記が行われてきました。

そして平成3年、最高裁判所では、この「相続させる」と記載された遺言について、遺産の分割方法の指定したものであるが、遺言者の死亡により、何らの行為を要せずに直ちに所有権移転の効果が生ずるものと判示されました。
よって、実務上ではこの遺産分割協議なしの扱いが定着しています。


上記の最高裁の判決の考え方によると、遺言書に「相続させる」・「遺贈する」と記載した場合の所有権移転のタイミングは同じで遺言者の死亡した時点ということになります。

ただし、登記手続きについては「相続させる」・「遺贈する」と記載した場合によって、違いがあります。

・「相続させる」と記載されている場合
⇒ 受遺者から単独で申請して登記ができる。

・「遺贈する」と記載されている場合
⇒ 受遺者とその他の相続人全員(または遺言執行者)との共同申請が必要になる。


この点を考慮すると、遺言によってある特定の相続人に対して特定の財産を与える場合には、「相続させる」と書いた方が登記手続きでは勝手が良いので、こちらの書き方が一般的になっています。
 

2017-09-20 13:56:51

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相続開始前3年以内の贈与

幸子さんは2年前の結婚時に、お父さんから2,000万円を結婚資金としてもらいました。
先日、お父さんが亡くなったため、幸子さんは相続税の申告を行いましたが、相続財産と合わせて以前にもらった2,000万円にも相続税がかかることを聞きました。

なぜ、贈与されたお金についても相続税がかかるのでしょうか?


相続や遺贈によって財産をもらった人が、その相続の開始の日の前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産があれば、相続財産または遺贈された財産に加算して相続税の計算をしなければなりません。

⇒ 相続税の課税価額 = 相続(遺贈)財産 + 3年以内の贈与財産


ただし、贈与を受けたときに贈与税を納めているうえに、相続時にも相続税がかかるとなると二重に税金がかかることになります。
そのため、贈与分を加算して計算した相続税から、すでに納めた贈与税を差し引いた金額を相続税として納めます。

⇒ 納める相続税 = 相続税 - 3年以内の贈与にかかった贈与税


また、贈与された財産の評価は、被相続人の死亡したときの時価ではなく、贈与を受けたときの時価になります。


相続発生前から3年以内に行われた贈与について、その贈与財産を相続財産に含めるかどうかは、以下のケースによって異なります。

・ 相続放棄をした場合

相続の放棄をし、遺贈でも財産をもらわない人が、3年以内に贈与を受けていた場合は、相続税を納める必要はないので、贈与財産を相続財産に含めて相続税を計算するということにはなりません。


・ 贈与で配偶者控除を使う場合

婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用財産(居宅やその敷地)を贈与された場合は、贈与税の配偶者控除の2,000万円を超えた金額だけを加算して、相続税を計算します。

しかし、贈与のときに、配偶者控除を受けない場合や、贈与した年に相続が発生した場合には、贈与財産の全額が加算されます。

なお、相続開始の年に贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、控除されることになる居住用不動産の価額は、贈与を受けた人(配偶者)の選択によって相続財産に加算しないことも可能です。
相続財産に加算しない場合は、贈与税の申告が必要になります。


・ 贈与税がかからない贈与の場合

贈与税がかからない年間110万円未満の贈与についても、相続財産に加算されます。


・ 相続した債務が多い場合

相続したプラスの財産よりも、マイナスの債務の方が多かった場合、つまり相続財産がマイナスのときは、その相続財産と贈与財産を合算することができません。
よって、このような場合には、贈与財産の価額が相続税の課税価額となります。
 

2017-08-30 10:27:08

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相続税が2割増しになるケース

太郎さんのお父さんは、高齢で体調もだんだん悪くなってきました。
また、お父さんは複数の不動産を所有しているうえに、多額の預貯金もあり、かなり多くの財産を持っています。


以前、太郎さんはお父さんの反対を押し切って結婚したこともあり、親子関係が良くありません。

そのため、お父さんは自分の財産を孫の花子さん(太郎さんの娘)に譲るという内容の遺言を書きました。

この場合、相続税はどうなるのでしょうか?


祖父から孫が遺言で財産を相続すると、孫が相続税を負担することになります。
また、親から子(お父さんから太郎さん)が相続した場合の相続税よりも、2割増しの税額になります。

このように、相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人の配偶者か1親等の血族でないときは、通常の場合の相続税額の2割増しの税金がかかります。
お父さんから太郎さんは1親等、お父さんから孫の花子さんは2親等の血族です。


通常の相続では、お父さんから息子の太郎さん、太郎さんから娘の花子さんへと財産が引き継がれるため、相続税が2度かかることを考えると、お父さんから孫の花子さんへ相続するときに2割増しでおさまるならば、この方がお得ですね。

ただし、お父さんよりも太郎さんが先に亡くなり、代襲相続人として孫の花子さんが相続する場合には、相続税は2割加算されません。


その他にも次のようなケースが、相続税の2割増しになります。

① 被相続人に両親や子供がいないため、兄弟姉妹が財産を相続した場合は2割加算される
⇒兄弟姉妹が相続人ではありますが、2親等の血族となるためです。また、兄弟姉妹がすでに亡くなっていて、代襲相続人が甥や姪になっているときも2割増しになります。

② 相続人がまったくいないため、民法の規定により家庭裁判所から相続人ではない人が財産をもらった場合

③ 配偶者または子供のいる被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の保険金を、被相続人の兄弟姉妹が受け取った場合
⇒兄弟姉妹は相続人ではない&2親等の血族のため。両親が受け取った場合は、相続人ではないが1親等の血族なので2割増しになりません。

④ 内縁の妻が遺贈によって財産を取得した場合
⇒法律上の配偶者ではないため、内縁関係では相続人になれません。

⑤ 被相続人の養子となっている孫やひ孫が財産を相続した場合
⇒ただし子がすでに亡くなっていて、孫が代襲相続人となるようなケースは2割増しになりません。


反対に、2割加算されないケースは次のようなものになります。

① 相続放棄した被相続人の子が、遺贈によって財産をもらった場合
⇒相続放棄した人は最初から相続人とならなかったとされますが、1親等の血族であることは変わりないので加算されません。

② 被相続人である養親から1親等の法定血族である養子が財産を相続した場合
⇒例えば、長男のお嫁さんや甥や姪を養子にしている場合や、もともと親族ではない子を特別養子縁組で養子にした場合などです。
 

2017-08-29 13:48:06

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法定相続人になることができる養子

鈴木さん夫婦は子供に恵まれなかったため、孤児を引き取って育ててきました。
現在は、5人の子供を養子として育てています。

この5人の養子は鈴木さん夫婦の法定相続人として認められるのでしょうか?


相続税の基礎控除額の計算は、3,000万円+法定相続人数×600万円となっています。

この計算によって出た基礎控除額を遺産総額から差し引くことができるため、法定相続人の数が多ければ多いほど相続税が課税される対象となる遺産が少なくなります。
また、課税対象となる遺産額が減ると、相続税の税率も低くなっています。

そのため、わざと養子の数を増やして相続税の負担を軽くしようとする事例が多発しました。

そこで、昭和63年の税制改正によって、法定相続人数に含めることができる養子の数に制限ができました。

① 被相続人に実子がある場合、法定相続人に含めることができる養子は1人
② 被相続人に実子がない場合、法定相続人に含めることができる養子は2人

これは養子に相続権を認めないというわけではなく、単に相続税の計算上での制限です。


ただし、鈴木さん夫婦のケースでは、養子の法定相続人数の算入制限とはまた別の話になります。

鈴木さん夫婦のように養子を育てている人への措置として、民法では特別養子縁組によって養子となった者は、養子であっても実子とみなして相続税法を適用することと規定されています。
つまり、鈴木さん夫婦の5人の養子が、すべて特別養子縁組による養子であれば、鈴木さん夫婦の実子とみなされるので、5人の子供全員が法定相続人となります。


ちなみに、養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組があります。

普通養子縁組

・目的:家の跡継ぎのため
・養親になれる人:単身で養親となれる。また、成人であれば、独身であっても養親になれる。
・養親の年齢:成年または婚姻している未成年
・養子の年齢:何歳でも良い
・実父母の同意:養子となる人が15歳未満であれば親権者の同意が必要。15歳以上であれば必要なし。
・要件:養子となる人が15歳未満の場合は、家庭裁判所の許可が必要。
・実父母との関係:養子となった後も実父母との関係は親子のまま。また実父母側の親族とも関係は存続する。
・戸籍の記載:実父母と養父母の両方が記載される。また、子の欄には養子・養女と記載される。
・離縁:養子が15歳以上であれば、養親と養子の話し合いによっていつでも離縁できる。


特別養子縁組

・目的:子供の福祉のため
・養親になれる人:婚姻している夫婦で共同に養親になる場合に限られる。
・養親の年齢:成年。ただし夫婦の一方は25歳以上。
・養子の年齢:家庭裁判所に申立を行った時点で、6歳未満
・実父母の同意:同意が必要。ただし、非嫡出子で父親の認知がない場合は、父親の同意は不要。
・要件:何らかの事情で実父母によって養育・監護ができない、または不適当な場合。
・実父母との関係:養子となれば、実父母との親子関係は消滅。実父母の親族とも関係は無くなる。
・戸籍の記載:養父母のみが記載される。また、子の欄には長男・長女など実子と同じ様に記載される。
・離縁:子供の福祉を害する事情がない限り、原則認められない。
 

2017-08-21 13:57:54

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相続税の計算

相続税は、相続人や受遺者それぞれ一人ずつ計算しますが、納める税金の計算は遺産の総額・法定相続人数・相続人の個々の状況などを基にして計算します。


相続税の計算方法


○ 遺産から債務と葬式費用を引いた正味の遺産の総額 + 相続前3年以内の贈与財産など - 遺産にかかる基礎控除額 = (1)


遺産にかかる基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人数です。
例えば、相続人が妻と子供2人であれば、4,800万円です。


○ (1)× 各相続人の法定相続分 × 税率 - 控除額 = (2)


この計算で、相続人それぞれの仮の相続税額が分かります。
税率と控除額は、以下のようになっています。


1人の相続人が法定相続割合でもらう財産額が

・ 1,000万円以下 ⇒ 税率 10%(控除額なし)

・ 1,000万円超~3,000万円以下 ⇒ 税率 15%(控除額50万円)

・ 3,000万円超~5,000万円以下 ⇒ 税率 20%(控除額200万円)

・ 5,000万円超~1億円以下 ⇒ 税率 30%(控除額700万円)

・ 1億円超~2億円以下 ⇒ 税率 40%(控除額1,700万円)

・ 2億円超~3億円以下 ⇒ 税率 45%(控除額2,700万円)

・ 3億円超~6億円以下 ⇒ 税率 50%(控除額4,200万円)

・ 6億円超 ⇒ 税率 55%(控除額7,200万円)

6億円を超える遺産を相続するなんて、想像つかないですが、その税率もすごいです。
半分は税金で持って行かれますね。


○ 各相続人の(2)の合計額 × その相続人1人の実際の相続割合 = (3)


○ (3)- 税額控除 = 各相続人の納付税額

ここでの控除額は、上記の控除額ではなく、配偶者控除や未成年者控除などになります。
 

2017-08-18 13:17:53

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固定資産税を死亡後に支払った場合は債務控除できる?

相続税の計算において、被相続人の死亡の際に確定している債務のみが債務控除の対象となりますが、被相続人が死亡した後に納めた固定資産税などの税金は債務控除の対象になるのでしょうか?


結論から言いますと、被相続人が死亡した後に納めた固定資産税であっても、被相続人にかかるものであれば債務として控除することができます。

債務控除の対象となる債務は、被相続人の債務で相続人の負担にかかるもので、かつ確実に存在すると認められるものに限られます。

債務が確実にあるかどうかについては、必ず書面の証拠が必要になるわけではありません。
また、債務の金額が確定していなくても、債務の存在が明らかであるものは、相続開始時の現況によって確実と認められる範囲の金額だけが控除の対象となります。


債務控除の規定により、控除すべき債務の金額は、相続が開始された時点で確実とされる金額になります。
この場合、固定資産税などの税金や国民健康保険料などの公租公課については、被相続人の死亡の際に確定している金額、また被相続人に係るものが含まれます。

地方税である固定資産税・都道府県民税・市町村民税は、それぞれの賦課期日はその年度の初日の属する年の1月1日とされています。(平成29年度では、平成29年4月1日が初日で、平成29年1月1日が賦課期日です。)
納税義務の確定手続きは、納税義務者に対する納税通知書などの通知によることとされています。
そのため、相続開始日の前に被相続人にかかるこれらの地方税の納税通知が送られていない場合は、その賦課期日において納税義務が確定したということにはできません。

ただ、債務控除の対象となる公租公課は、原則として被相続人の死亡の際、債務の確定しているものに限られていますが、被相続人にかかる所得税などの公租公課は相続開始後、相続税の納税義務者が納税するものは債務控除ができることになっています。


ちなみに、相続人のせいで納付しなければならなくなった延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税の各税額は、債務控除の対象となる公租公課には当てはまりません。
 

2017-08-07 11:47:17

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遺言執行の費用は債務控除できる?

田中さんのお父さんは、長男である田中さんに全財産を相続させる内容の公正証書遺言を残して亡くなりました。

そこで田中さんは、お父さんが依頼していた遺言執行者の司法書士に報酬20万円を支払いました。

相続税の申告において、この20万円を債務控除できるのでしょうか?


相続税の課税価格から計算上控除できる債務は、以下のものになります。


・相続開始の時点で被相続人(お父さん)の債務としてすでに存在していたもの

⇒ 確実に存在すると認められる被相続人の債務。この場合の債務には、公租公課も含まれます。(公租=税金、公課=保険料)


・被相続人のお葬式にかかった費用


よって、遺言執行にかかる費用は、相続財産に関する費用=相続後に発生する費用なので、債務として控除することができません。
相続財産に関する費用とは、相続財産が相続人などによって実際に引き継がれるまでの管理や保存のための諸費用を指します。

次のような費用です。


① 相続の承継又は放棄するまでの間の、相続人による相続財産の管理費用


② 相続の限定承認者による相続財産の継続管理費用

限定承認とは、被相続人にプラスの財産とマイナスの財産がある場合、相続人がもらったプラスの財産よりも大きいマイナスの財産は承継しないという相続です。


③ 相続放棄をした人によって、相続人となった人が、相続財産の管理を始めることができるまでの相続財産の管理費用


④ 財産分離の請求があった場合における、相続人または相続財産管理人などによる相続財産の管理費用


⑤ 遺言執行者の遺言執行に関する費用


具体的には、遺言執行に関する費用以外にも、不動産の固定資産税や火災保険料の支払い、水道光熱費の支払い、保存登記など不動産の保存に必要な費用、賃貸物件にしている不動産の修繕費、農地の場合の農作物を育てるための必要経費、相続人で分割するための換価費用などがあります。


遺言執行者の指定は、被相続人が生きているうちに遺言書で執行を依頼したい旨を記載します。
そのときに、遺言執行費用として一定の報酬を支払うという内容の合意をしていても、遺言者が死亡したときに初めて遺言執行を含めた遺言の効力が発生するため、被相続人が生きているうちに遺言執行にかかる費用を債務として負うことはできません。

遺言執行に関する費用は、相続財産の中から支払うこととされていますが、債務控除として控除できるものは『相続開始時点ですでに債務として存在するもの』という条件があるため、遺言執行費用を負担するのは相続人となります。


よって、遺言執行の費用は田中さんのお父さんの遺産から支払うことはできますが、債務控除として費用の20万円を引いて相続税の申告をすることはできません。
 

2017-08-04 11:07:54

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相続人が負担した医療費は被相続人の債務になるか?

何年も病気のため療養中だったお父さんを亡くした鈴木さん。
鈴木さんはお父さんにかかった医療費300万円を支払ってあげていました。

お父さんの遺産は預金だけでも6,000万円あります。

鈴木さんが負担した医療費は、お父さんの債務として認められるのでしょうか?


相続人である鈴木さんが相続開始前(お父さんが亡くなる前)に支払った医療費は、被相続人であるお父さんの代わりに立て替えていたといえるなら、被相続人は相続人に対してその立て替えられた医療費に相当する債務を負っていたことになります。


相続税の債務控除についてはこれまでも少しお話してきました。

債務控除とは、被相続人の債務や葬儀費用などの価額を、相続または遺贈によって取得した財産から差し引いて、残った財産の価額を相続税の課税価格とすることです。


被相続人と相続人が親子関係などの関係にある場合は、お互いに扶養義務を負っています。
つまり、息子である鈴木さんがお父さんの医療費を負担したのは、扶養義務の履行であり、親子間に債権債務は生じないともいうことができます。

具体的に扶養義務関係は、次のような要件を満たすことが必要です。


① 扶養を受けようとする者に生活資力がないこと

② 扶養しようとする者に扶養能力があること

③ 扶養権利者が扶養義務者に対し、扶養の請求をすること


扶養義務は、親子や孫などの直系血族間、兄弟姉妹間には法律上当然に発生します。
扶養は、扶養を必要とする者に対して扶養する余裕のある者から与えられることになりますが、扶養義務者の順位、扶養の程度や方法、またそれらの変更については、原則として当事者同士の話し合いで決めます。


鈴木さんとお父さんのケースでは、お父さんが6,000万円もの預金を持っているので生活資力は十分にあります。
要件の①に当てはまらないので、鈴木さんの医療費の負担は扶養義務の履行には当たらないと思われます。
つまり、お父さんに十分な生活力があるため、その医療費はお父さんが支払うべきものだったと考えられます。
鈴木さんがお父さんの医療費を立て替えて支払ったことは、お父さんが鈴木さんに対して債務を負っていたことになります。

よって、鈴木さんが立て替えていた医療費分の300万円は、お父さんの債務として、相続財産から控除することができそうです。
 

2017-07-27 10:22:45

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お葬式の費用で相続財産から控除できるものは?

お葬式にかかる費用は、債務控除として相続財産から控除できます。

葬儀費用として債務控除の対象となるものには何があるのでしょうか?
また、お葬式を盛大にして、葬儀費用を高額にすれば、相続税を少なくすることはできるのでしょうか?


葬儀費用は、被相続人の債務ではありませんが、死亡によって必要となる費用であり、社会慣習の観点からも欠かすことは難しいと考えられるため、遺産から控除できるものとされています。

ただ、債務控除の対象となる葬式費用の具体的な範囲については、相続税法に定められているものではありません。

また、宗教や地域の習慣によって葬儀の様式が異なるので、どこまでを葬式費用に含めるのかは難しい問題です。
そこで、相続税法基本通達では、次に挙げるものを葬式費用とすることを定めています。


債務控除の対象となる葬儀費用

① 葬式または葬送に際し、埋葬、火葬、納骨、遺骨などの回送、その他に要した費用

② 葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業や財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用

③ ①と②の費用のほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式にともなうものと認められるもの

④ 死体の捜索、死体や遺骨の運搬に要した費用


お葬式を盛大にすると、債務控除の対象となる金額は増えますが、その分相続財産は減ることになります。
相続税の節税になると言っても、最終的に得するかどうかは微妙ですね。


ちなみに、次のような費用は葬式費用に含めないことになっています。

① 香典返礼費用

香典を受領しても非課税とされていることから、そのお返しの費用は葬式費用としないこととされています。


② 墓石や墓地の購入費、墓地の借入料

墓石や墓地は相続税の非課税財産なので、その購入費や借入料は葬式費用に含まれません。


③ 法要の費用

法要はお葬式とは別に行うものなので、その費用は葬式費用としないこととされています。


④ 医学上または裁判上の特別の処置に要した費用

お葬式に直接関係しないため、これらの費用は葬式費用にはなりません。

 

2017-07-12 10:59:29

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債務控除とは?

相続税は、相続または遺贈によってもらった遺産の金額から、負担する債務やお葬式の費用の金額を差し引いた遺産額に対して課税されます。

債務控除とは、この場合の差し引かれる債務や葬儀費用のことです。


債務控除には条件があります。

① 債務控除ができる人は、相続人、包括受遺者、相続人である特定受遺者に限られます。
そのため、相続権を放棄した人や、相続人でない特定受遺者には適用されません。

ただし、相続放棄をした人が、被相続人の葬儀費用を負担した場合においては、その負担額を債務控除の対象としてもさしつかえないものとして取り扱われます。


② 債務控除の対象となる金額は、その人の負担に属する部分に限られます。

③ 債務控除の対象となる債務は、確実と認められるものに限られます。
したがって、債務として確定していないものについては対象になりません。


また、以下のようなものは債務控除の対象にはなりません。

・非課税財産の維持、管理、購入のために生じた債務。
例えば、被相続人の存命中に墓石を買ったが、その代金が未払いである場合の未払い代金。

・民法に規定された、相続財産の中から支払う相続財産に関する費用。
例えば、遺産分割が確定するまでの相続財産の維持、管理に使った諸費用。
 

2017-07-10 14:47:13

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