相続や生前贈与は尼崎リーガルオフィス|神戸市・西宮・芦屋・大阪

 

お問い合わせはこちらお問い合わせはこちら

アクセスマップ
お問い合わせ

 

ブログ

 

司法書士事務所 尼崎リーガルオフィス

 

債務整理サポート

 

プレゼント中! 相続・遺言ガイド 資料請求はこちら

 

司法書士事務所尼崎リーガルオフィス facebook

 

HOME»  ブログ記事一覧

ブログ記事一覧

  • 件 (全件)
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

後見申立の費用や後見人報酬の支払が難しいときの補助

高齢の太郎さんは、在宅で介護サービスを受けていますが、このところ認知症がかなり進んできています。
今後のことを考えると、成年後見人をつけた方が良さそうです。

ただ、太郎さんには世話をする親族もいませんし、これといった財産もありません。
そのため、成年後見開始の申立の費用や、後見人就任後の後見人への報酬も支払えそうにありません。

このような場合、公的に補助してもらえる制度はあるのでしょうか?


太郎さんのように身寄りがない人は、親族に成年後見の申立を行ってもらうことができません。
このような場合は、市町村長による成年後見の開始審判の申立を求めることになります。

身寄りのない人や親族による申立てが困難な場合、老人福祉法・知的障害者福祉法・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づいて、市町村長が成年後見開始の審判等について申立てを行うことができるものとされています。
また、親族の反対があっても、申立が必要となる場合は、公的見地から市町村長が申立をすることができます。


成年後見開始審判の申立を行う場合、手続費用として申立書に貼り付ける印紙800円と、予納する郵便切手3,630円(神戸家庭裁判所の場合)、後見登記手数料2,600円の合計7,030円と、鑑定が必要になった場合は鑑定料として10万円ほどかかります。

さらに、申立てを司法書士や弁護士に依頼するとその費用もかかります。

その後、成年後見人が選任され、定期的に財産管理などの業務を行ってもらうと、業務の内容や費やした時間などを考慮して家庭裁判所が後見人の報酬額を決定します。
この決められた報酬額は、被後見人(本人)の財産から支払われますが、財産があまりなく報酬を全額支払うのが困難な場合は、市町村の成年後見制度利用支援事業により、その全額または一部に当たる助成金が出ます。


なお、市町村長が申立をしたとき、その申立費用は申立人である市町村が負担することになりますが、本人等の関係人へ償還を求めることも可能です。
ただ実際には、本人に財産がない場合、本人へ負担を求めることは難しいようです。
 

2018-07-19 10:40:42

コメント(0)

折りたたむ

被後見人が引っ越したときの報告

成年被後見人であるA子さんは、自宅で介護サービスを受けながら療養してきました。
しかし、最近になって認知症が進んできたので、特別養護老人ホームに入所することになりました。

このように被後見人の住所が変わる場合、家庭裁判所に報告は必要になるのでしょうか?


後見人は日々の後見業務を行って、定期的に家庭裁判所へ報告書を提出しなければなりません。
その他にも、本人(被後見人)にとって重要な事柄が起きた場合も、その度に家庭裁判所へ報告する必要があります。


家庭裁判所に報告する必要のある事柄としては、以下のようなものがあります。

・在宅看護から施設入所になったなど、生活環境が大きく変わった
・居宅用でない不動産を売却したなど、大きな財産を処分した

ちなみに、居宅用の不動産(自宅など)を売却するには、まず家庭裁判所で許可をもらわなければならないため、事後報告ではありません。


本人の居所を変更するケースとしては、A子さんのように自宅から施設へ移るほか、親族と同居するために転居する、長期療養入院のため病院へ移動するなどがあります。
特別養護老人ホームへの転居は、原則としてホームの住所へ住民票を移動することになっていますが、有料老人ホームでは必ず住民票を移動しなければならないわけでもないようです。
また、長期入院する病院住所に住民票を移すのは、なかなか認められないため、それまで住んでいた自宅などのままになることが多いです。

上記のように、住民票の移動を伴う転居の場合には被後見人の住所が変更されるため、後見登記に載せている住所の変更も行わなければなりません。
よって、この場合は家庭裁判所の報告と後見登記の変更手続きも必要になります。


被後見人の住所の変更手続き

① 転出届・転入届をそれぞれの市区町村へ提出する。
  また、それに伴う(健康保険や年金等)各種住所変更届も行う。

② 東京法務局へ住所変更登記を申請する。
 ※ この申請には、登記印紙の貼付けは不要です。

③ 家庭裁判所へ住所が変更された住民票の写しまたは後見登記事項証明書を提出して、住所の変更を報告する。
 

2018-07-09 14:58:19

コメント(0)

折りたたむ

成年後見人の費用・報酬の請求

鈴木さんは、高齢の一郎さんの成年後見人です。

この度、一郎さんの認知症が進行してきたため、介護サービス事業者と契約をして介護サービスの提供を受け、デイサービス事業者とも契約をしてデイサービスの利用も開始しました。
このような契約の手続きは一郎さん自身では難しいため、後見人である鈴木さんの仕事になります。

また、普段の鈴木さんの仕事としては、一郎さんが所有している不動産の賃貸料と預貯金の管理があります。


鈴木さんが一郎さんの自宅へ訪問するには、交通費がかかります。
また、普段行っている財産管理にも、いろいろと費用がかかることもあります。


そこで鈴木さんは、そろそろこれらの費用の請求を行いたいと考えています。


成年後見事務を行うために必要になる費用は、被後見人(一郎さん)の財産の中から支出することができます。
つまり、後見人が立て替えて支払った場合は、被後見人の財産から清算します。

後見事務に必要となる費用として被後見人の財産から支払われるものは、通信費や交通費などの後見事務費のほかに、被後見人本人の食費等の生活費、医療費や介護費、財産管理費などが含まれます。

ただし、これらの費用の支出は必要なものであるか、本人の財産等から相当な範囲内であるかを考えなければなりません。

例えば、交通費は原則として電車・バスなどの公共交通機関の運賃に限られ、適当な公共交通機関が無いなどタクシーを利用する特段の事情がある場合でなければ、本人の財産から支払うことはできません。
この特段の事情には、その日の天候、本人の病気等の状態なども含まれます。


また、後見人が報酬をもらうには、家庭裁判所に報酬付与の申立を行う必要があります。

家庭裁判所が被後見人の財産やその他の事情、後見人の業務内容などを考慮して、報酬額を決めます。
報酬額が決まれば、被後見人の財産から報酬を受け取ります。
 

2018-06-26 12:42:42

コメント(0)

折りたたむ

被後見人の治療方法の決定

高齢で認知症である花子さんには、成年後見人が就いています。
先日、花子さんは体調が良くないため病院で検査をしたところ、すい臓がんと診断されました。

担当医師の話では、手術すれば回復する見込みはあるものの、高齢のため手術をすることによってより体力が衰える恐れがあり、また手術しても転移していれば回復は難しいとのことでした。

花子さんは認知症が進行しているため、自分で治療方法を選択することは難しい状況にあります。


このようなケースでは、花子さんが手術をするかどうかを、成年後見人で決めることができるのでしょうか?


結論から言いますと、成年後見人には本人の手術を行うかどうかの判断をする権限はないと考えられています。

そのため、このようなケースでは、まずは可能な限り花子さんの意思を確認することになります。
それが難しいときには、花子さんの近親者に相談した上で、医師等医療関係者の判断を仰ぐべきです。


通院や入院、またその費用の支払いなど医療契約に関する代理権は、成年後見人の包括的代理権に含まれるものとされ、本人の同意がなくても、後見人は本人の代理として医療機関等と医療契約を締結することができます。

しかし、手術や投薬など身体に直接影響がある医療行為を行うことについては、本人に代わって同意する権限が後見人に認められていません。


また、家族であっても本人以外の人であることには変わりないので、正確に言えば、家族にも医療行為に関して同意権があるか微妙なところです。

ただ、本人の意思の確認が本人から得られれば一番良いのですが、得られない状況であっても、医師等は本人の意思を可能な限り確認されることになります。

そこで、本人の意思を知ることができる親族や同居者などに本人の状況を説明し、行うべき医療措置について、本人の意思に沿うものか?本人の利益は損なわないか?ということを確認します。
重篤ながん患者に関しては、疼痛緩和のためモルヒネ投与などの医療措置等、患者の終末期における治療方針についても検討しなければなりません。

以上より、本人に代わって同意する権限のない後見人としてできることは、本人の意思確認のために必要となる情報を提示することになります。


なお、家族や同居者などがいない場合でも、後見人が治療方法を決めることはできません。
このような場合では、医師や医療関係者が患者にとって最善の治療方針を取ることになります。
 

2018-06-11 14:11:19

コメント(0)

折りたたむ

被後見人が施設に入っているときの身上監護

高齢で認知症を患っている幸子さんは、長い間特別養護老人ホームで暮らしています。

幸子さんには最近、成年後見人が付きました。
幸子さんの場合、介護サービスは施設が行っているため、後見人が身上監護として行うべき仕事はどのようなものになるのでしょうか?


成年後見人が負う身上監護義務は、実際の行為に関するものではなく、法律行為に関するものになります。

つまり、後見人の仕事は、施設との間の契約を締結し、施設による当該契約に従った介護の履行状況を監視する、必要な費用の支払いを行うなどの事務を行います。
後見人自身が、毎日幸子さんの介助を行うものではありません。


実際に行う仕事は、次のようなものになります。

施設の検討

入所している施設が被後見人に合っているかどうかを検討する必要があります。
そのためには、本人がどのような施設を希望しているのかの意思の確認、本人の健康状態、家族の希望、当該施設の評判などの情報収集が必要です。


入所契約の確認

施設との入所契約の内容を確認し、契約条項に問題がないかを確認します。

なお、一般的には特別養護老人ホームでも、その他の有料老人ホームなどの介護施設では、医療を受ける施設ではないため、長期間の入院治療を必要とする場合は、介護施設からの退所を余儀なくされる場合があります。


介護サービスのチェック

施設に入所した後は、施設が契約どおりのサービスを提供しているか、その内容が適切かどうかをチェックすることになります。
そのためには、毎月施設から郵送される請求書・領収書等を確認して、提供されている介護サービスの内容のチェックをし、通常6ヵ月ごとに見直される介護サービス計画のチェックも必要となります。

1~2ヵ月に1回程度は施設へ出向き本人の様子を見たり、親族等から本人の状況を伺うと良いです。
また、施設職員とも電話等で本人の様子や、サービスの提供について聞いておきます。


日常金銭の管理

本人が施設に入所している場合、日用品やおやつなどの購入のために、後見人が小口現金を施設に預けることが多くあります。

また、通院などの費用もこの小口現金から支払ってもらうこともあるため、定期的に施設へ現金を預ける必要があります。
このように、日常の生活費の管理も、後見人の仕事になります。


緊急時の対応方法

緊急時の対応方法を施設関係者等と話し合い、決めておくことも重要です。

例えば、緊急で入院が必要になったとき、施設から後見人や親族への連絡はどのように行うか、入院に際しての費用の支出方法はどうするかなどを決めておきます。

またさらに、本人の死亡時、誰にどのように、誰から連絡するのか、親族との連絡や遺品等の引取りなども決めておかなければなりません。


施設の変更

後見人として、本人にとって入所している施設が適しているか、契約どおり適切なサービスを受けられているかどうかなどをチェックしますが、それらが不適切であったりするならば、施設に対して改善を求めたり、最悪他の施設へ移ることも検討しなければなりません。

ただ、一度入所した施設から他の施設に移るとなると、本人にとっては身体的にも精神的にも負担が大きくなります。
また、転所に伴う費用もかかります。

不当不適切な介護サービスを行う施設に居続けることはできませんが、後見人としては、できるだけ本人の負担を少なく済むように考えなければなりません。
 

2018-06-01 14:09:20

コメント(0)

折りたたむ

被後見人に債権・債務があるときは

高齢で認知症の太郎さんの成年後見人になった田中さんは、太郎さんの財産を調査しました。

すると太郎さんは友人に対して、お金を100万円も貸したままになっていることが分かりました。

また、太郎さんは以前入院した病院へ入院費を支払っておらず、税金や公共料金もかなりの金額が未納になったままでした。


この場合、後見人として田中さんはどう対処したら良いのでしょうか?


成年後見人は本人(被後見人)の財産管理に関する事務を行う、財産管理の権限を持っています。


債権(貸しているお金)がある場合

太郎さんが友人に貸したお金がまだ返してもらっていないことが判明したら、後見人である田中さんは、金銭消費貸借契約書の確認や、貸付の趣旨、これまで返済されなかった事情などを調査します。
そして、その友人に連絡して支払いの意思確認など貸したお金をどうやって回収するかを考えなければなりません。

訴訟を起こす、強制執行などを行うかどうかは、債権回収の現実的な可能性があるか、太郎さんと友人の人間関係がどうなるかなどを考慮して、家庭裁判所に相談しながら進めることが最善策です。


債務(借りているお金・支払っていないお金)がある場合

入院費や税金などの未納が分かったときも、今後の生活に支障を来さないように、早急に支払うように努めます。

後見人の田中さんは、太郎さんの財産から未納分を弁済します。

まず、太郎さんの財産がいくらあるか、未納分を全額弁済することができるかどうかを検討します。
一度に全額弁済すると、その後の生活費のやりくりが難しいと思われるときには、どの未納分から先に弁済すれば良いかを考えます。


また、債務の弁済は、優先順位を考えます。

介護保険料や国民健康保険料、家賃、水道光熱費、現在入院している病院の入院費などは、支払いをしなければ、給付制限や強制執行を受けたり、供給を停止されたりする恐れがあるので、できる限り早く弁済するようにします。

どう考えても財産が少ないため弁済できないという場合には、自己破産や生活保護の申請も検討しなくてはなりません。
 

2018-05-30 13:23:14

コメント(0)

折りたたむ

被後見人が高額商品を購入した場合の取消

被後見人の花子さんは、近所の呉服店で高価な着物を、勧められるがまま購入してしまいました。

成年後見人である佐藤さんは、この着物の購入契約を取り消すことはできるのでしょうか?


結論から言いますと、花子さんが行った着物の購入を、佐藤さんが取り消すことは可能です。
成年後見人は、被後見人がした法律行為を取り消すことができます。

成年後見人は被後見人(本人)がした法律行為(契約)を取り消すことができると、民法で定められています。
取り消された契約は、初めから無効であったことになります。

着物の購入契約を取り消して、購入した着物を呉服店に返し、支払った代金を返金してもらうことができます。
契約を取り消した場合、「現に利益を受けている限度(現存利益)」を返還すれば足りるため、購入した着物を現況で返還すれば良いことになります。


ただ、本人が契約したものを後見人が取り消せるとしても、一度支払った代金の返還を確実に全額受けることは、実際では困難であるケースも多いようです。
そのため、最初から高価な着物などが買えないように、多額の現金や財産を本人が簡単に使えるような状況にしないために、後見人がしっかり財産管理をしておく必要があります。


冒頭のケースで花子さんは高価な着物を購入していましたが、佐藤さんが知らないうちに、花子さんが借金をしていた場合はどうなるのでしょうか?

同様に、被後見人(花子さん)が締結した金銭消費貸借契約などの契約も、後見人(佐藤さん)が取り消すことができます。

金銭消費貸借契約を取り消した場合、借りたお金のうち、現に利益を受けている限度(現存利益)を返金すれば良いことになっています。

この現存利益とは、受けた利益がそのまま、あるいは形を変えて現に存在しているもののことです。

例えば、花子さんが借りたお金を生活費として使ってしまっていた場合には、生活費分の利益が形を変えて家の中に残っていると考えられるので、現存利益があるとされます。
しかし、借りたお金をギャンブルなどに浪費してしまっている場合には、手元に何もないため、一般的に現存利益はないとされます。
つまり、花子さんが借りたお金を浪費して一円も手元に残っていなければ、佐藤さんが契約を取り消す際、お金は返す必要はないということになります。
・・・貸した側としては、なんだか納得いかないと思いますが。


ただし、被後見人がした法律行為を、後見人が追認してしまうと、その行為を取り消すことはできなくなります。
また、後見人が被後見人の行為を知りながら放置した場合、追認したとみなされることもあるので、注意が必要です。


被後見人の自己決定権を尊重し、出来る限り通常の生活を営んでもらうために、被後見人が行った日用品の購入その他日常生活に関する行為については、後見人が取り消すことができません。
日常生活に関する行為とは、食料・衣料・日用雑貨の購入、電気・ガス・水道料金の支払い、通常の介護費用の支払いなどを指します。具体的にどれが日常生活に関する行為に当てはまるかという基準がないのですが、被後見人の生活状況や資産から判断されます。
 

2018-05-11 11:23:51

コメント(0)

折りたたむ

被後見人の自宅を成年後見人が売却できる?

成年被後見人の太郎さんは、長年施設で生活していますが、年々認知症が進行していて、自宅に戻れる見込みはなさそうです。

さらに、太郎さんの医療費・施設費については、後見人である山田さんが銀行預金から出金して支払っていますが、そろそろ残高が少なくなってきました。

そこで山田さんは、太郎さんの自宅である土地付き一戸建てを売却して、その売却代金を今後の太郎さんの生活費に充てたいと考えています。
自宅不動産の売却を、後見人である山田さんが代わりに行うことはできるのでしょうか?


成年後見人は被後見人(本人)の財産一切について、包括的な代理権、管理権を持ちます。
つまり、山田さんは後見人として、太郎さんの自宅不動産やその他の財産についても売却・処分することができます。

ただし、民法では『被後見人の居住用不動産の売却、賃貸、賃貸借の解除または抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには家庭裁判所の許可を得なければならない』と規定しています。

よって、家庭裁判所による許可を得ずに後見人が本人の自宅不動産を処分した場合は、その行為は無効となります。


被後見人の居住用不動産とは、以下のものを含むと考えられます。

・ 本人が生活の本拠として現に居住している建物またはその敷地
・ 現在本人は居住していないが、過去に本人が生活の本拠とした実態のある建物またはその敷地
・ 将来本人の居住用として利用する予定のある建物またはその敷地

本人の居住の有無については、本人の住民票上の住所があるかどうかだけの判断ではなく、それまで住民票は移していないが、事実上は長く住んでいたなど、実際の生活状況をふまえて判断されます。
また、現在は施設に入所していて、施設の手続き上の必要から住民票を施設に移しているが、家族は引き続き居住しているケースや、本人が退所後は戻る意思・願望を持っているケースも居住用不動産とみなされると考えられます。


居住用不動産処分の許可申立は、後見開始決定の審判を行った家庭裁判所へ行います。

申立書には、処分の必要性と価格の相当性を記載します。

まず、処分の必要性について、具体的に検討されるべき要素としては以下のようなものが挙げられます。

① お金に換えることのできる資産が他にもあるかどうか
② ①の資産がある場合には、今回処分の許可を申し立てている不動産を処分する妥当性(例えば、本人がその自宅に戻って生活することが望めないこと、維持していくための管理費用がかかること、処分しない他の物件で賃貸収入が見込めることなどがあるかどうか)
③ (意思確認が可能な場合)本人の同意があること
④ (意思確認が可能でない場合)本人の家族や推定法定相続人などからの同意があること

また、不動産の価格の相当性については、複数の不動産業者に査定してもらい、その中で最も良い条件の業者に売却する予定であると説明するのが良いでしょう。


このようにして、裁判所から許可の審判を受けた後、後見人が包括代理人の立場で売買と不動産登記申請を行います。
登記完了後に、処分行為の結果等を裁判所へ報告します。
 

2018-04-27 14:30:28

コメント(0)

折りたたむ

後見人就任後に連絡すべき関係機関は?

成年後見人に選任され、家庭裁判所から審判書を受け取った後、成年後見人に就任したことを市役所などに連絡する必要はあるのでしょうか?


成年後見人の仕事は、主に財産管理と身上監護です。

財産管理を行うことになれば、被後見人(本人)と取引のある機関へ連絡・届出をする必要があります。
同様に、身上監護の事務としては、健康保険や介護保険に関する証書等が必要になるので、市役所などへ連絡しなければなりません。また、本人に関わる機関への連絡も必要です。
以下の機関に連絡します。


① 金融機関、証券会社、保険会社等

金融機関等では、成年後見届の所定の用紙が用意されています。
これに沿って、成年後見人が選任されたことを届出します。
また、金融機関等からの郵便物も後見人住所宛てに送ってもらいたい場合も、届出が必要です。
これらの届出により、定期預金の満期の連絡を受けたり、預金払戻や解約手続を後見人が行えるようになります。


② 賃貸借契約

本人の自宅の建物が借家である場合は家主、敷地が借地である場合は地主へ成年後見人が選任されたことを連絡し、それ以降の連絡は後見人宛てにしてもらうようにします。
また、本人がアパートなど人に貸している不動産がある場合は、借主や管理会社などへ連絡し、修繕や賃料の収受を後見人が行えるように手配します。


③ 年金

年金を受給している人は、毎年誕生月に年金受給者現況届を出す必要があります。
この送付先を後見人にしておくと、提出もれを防ぐことができます。
このために、年金事務所へ後見人が選任されたことや後見人の住所連絡先を届け出ます。
同様に厚生年金基金についても、基金事務局へ連絡しておく必要があります。
また、本人が年金受給年齢に達していない場合でも、保険料の支払い等がありますので、後見人が選任された連絡は必要です。


④ 市区町村役所

(1)税金

固定資産税や住民税など役所からの通知・納付書が送られてくるものについては、役所の担当課へ成年後見人が選任されたことと後見人の住所を連絡しておくと、以後の書類が後見人宛てに届くため、必要な手続きや支払いが滞りなくできます。

(2)健康保険、介護保険等

介護保険の認定手続きなどが必要になる場合があります。
介護保険の担当課に必要書類の送付先を後見人とするように届出を行っておくと良いです。
また、障害手当金を受け取っている場合などでは、健康福祉課等にも届出が必要です。
年金については、書類送付などの連絡を後見人宛てにすることもできますが、健康保険証の送付など健康保険に関する連絡先を後見人に変更するには、本人確認の必要があるなど役所と送付方法について交渉しなければならないこともあります。


⑤ 介護サービス契約

介護保険に基づいて受けている介護サービスは、提供事業者と契約することで受けることができます。
そのため、成年後見が開始された後は、後見人が本人を代理して、契約を締結・更新・変更しなければなりません。
すでに締結している契約であれば、後見人に就任したことを届け出て、自己負担分の利用料は本人の財産から後見人が支払います。
また、担当ケアマネージャーへも、後見人就任の届出を行い、身上監護についての計画を立てる際には、相談してアドバイスを受けます。


⑥ 郵便物

本人への郵便物のすべてを、後見人宛てに転送してもらうことは、本人の信書受領権を奪うことになりますので、郵便局の窓口で後見人であることを証明したからといって、郵便物を包括的に後見人へ転送することは認められません。
そのため、上記①~⑤のように個別に書類の送付先を変更してもらうように届出を行う必要があります。


⑦ その他

本人の収入状況によっては、後見人が代理で確定申告を行うときもあります。
この場合、税務署に後見人に就任したことを示す、登記事項証明書を提示します。確定申告の書類の提出を代理で行うこともできますし、還付金の振込口座を後見人名義の口座にすることもできます。
 

2018-04-20 12:42:49

コメント(0)

折りたたむ

成年後見人の義務

成年後見人は就任時から善管注意義務(後見人として就任した人の専門家としての能力などから考えて、物事の状況に応じて通常行うべき注意義務)が課せられていますが、これをより具体化したものとして身上配慮義務が定められています。

身上配慮義務とは、成年後見人が本人の生活、療養看護、財産管理に関する事務を行う際には、本人の意思を尊重し、かつ本人の心身状態や生活状況に配慮しなければならないという注意義務です。

具体的には、本人の財産の処分や、介護契約を締結する際などには、本人の意思を最大限尊重し、心身や生活の状況に配慮する必要があります。


ただ、本人の意思の尊重とは、必ずしも本人の発言のままに従うという意味ではないことに注意しなければなりません。

被後見人本人は『精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある』ため、後見人はその合理的な意思を考慮しながら職務を進めることが要請されます。

もし、本人が認知症などの病気を克服して、判断能力が回復した場合でも、その時に本人に納得してもらえるような事務処理を心掛けないといけません。
食事も満足に摂れずに栄養状態が悪くなったり、長らくお風呂にも入らない、着替えもしないといった状況にも関わらず、本人が
『自宅での一人暮らしのままで施設には入りたくない!』
『他人に世話をされるのが嫌だから、ヘルパーは必要ない!』
などと言ったからといって、そのまま本人の言うことに従うわけにはいきません。


また、成年後見人は家庭裁判所の監督を受けます(後見監督人が選任されている場合は、後見監督人が監督します)。

最初に、後見人は選任されてから1ヵ月以内に本人の財産目録を作成して、家庭裁判所に提出する義務があります。
定期的に家庭裁判所へ、後見事務の報告や財産目録の提出をする必要があります。
さらに、家庭裁判所から後見の事務内容や財産状況などについて調査があった場合にも、これに協力しなければなりません。

最後、後見人の任務が終了したときも、2ヵ月以内に管理していた財産について家庭裁判所に報告する義務があります。


以上のように、家庭裁判所(または監督人)から後見事務について報告や説明を求められることもあるため、後見人は日々行った事務内容を記録し、契約書類や領収書などの書類を保管しておく必要があります。
 

2018-03-20 13:20:16

コメント(0)

折りたたむ

  • 件 (全件)
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5